Kauai,Hawaii Vol.15

雨上がりのビーチは涼やかな風が吹き渡り、西の空がほのかに赤く染まり始めた。犬の主人は日課のサーフボードを抱え、はるか沖まで漕いで行った。私には姿が見えないがこの忠犬には見えるのだろう。声をかけても一瞬たりとも振り向かず主人の帰りを見つめていた。<Text by Kumiko Sakai>