私と「街角の記憶」

カシャ、カシャ、カシャ、カシャ、カシャ、何百回、何千回、それ以上のシャッター音。その音の一つ一つが、実在した現実の証しとなってゆく。今それらを見ると、一瞬私を見つめた愛らしい猫、犬をつれた老人、カフェの人々、高い窓から射し込む光の帯がのびる教会の床。旅した異国の街角で、ふと垣間見た情景の一つ一つが何の脈絡もなくよみがえってくる。