Venezia.Italy Vol.7

夕食にはまだ早いのだろう。お店の中は、がらんとしていて、静かだ。ピチャピチャという音に振り向く。いつの間にか音もなくやってきた一匹のお客様は、警戒しながら喉を潤している。いつもながらの光景なのだろう。飼い主の女主人はやさしい声で”だめよ”と言った。<Text by Kumiko Sakai>